今年のお盆

明治庵ブログ2018年09月07日

私のミスでパソコンが壊れて、長い間長い間修理に出していました。    久しぶりのブログです。

お盆に大事なお客様の法事をして頂きました。故人が、家族で最後に食した料理が、明治庵の景虎ふぐだったそうです。   

一周忌で河豚を食べたい。との施主の希望で、景虎ふぐを中心に献立をしました。        いつも声をかけながら、もっと食べな。大きく成れよ。と。餌やりをすると、胸鰭をばたつかせて、喜んで近くに寄ってきます。水温計の先で頭やほっぺたをなでてやると、喜んで愛想をします。

毎日、朝昼晩と三回餌やりとフィルター掃除をします。   そんな河豚たちを朝から捕まえました。一匹目はすぐ捕まりました。二匹目からは、逃げ足の速い事。中々捕まりません。よっぽど私の顔が修羅の形相だったのかも知れません。  六匹捕まえるのに40分かかりました。   ごめんよ、ごめんよ。と 言いながら鬼になりました。  大きいタモを二刀流で使いこなして、追い込んで、追い込んで、やっと捕まえました。    悲しいかな、これが運命です。牛や豚や鶏もおそらくは、そうなのでしょう。    食べるために生かされ、殺されるために生かされる。残酷な現実です。   

自然界では、弱肉強食は当たり前の世界です。  しかし、いざ生き物の命を奪うとなると、辛いものが有ります。  だからこそ、食べ物には、感謝して有り難く頂戴するという気持ちが大事だと思います。   おかげさまで、料理は皆、綺麗に残さず、召し上がって頂きました。    お寺様も、施主様も喜んで頂きました。   有難うございました。  

お盆という昔からの文化。あちらの世界とこちらの世界を結びつける時期に、殺生をして、改めて、仏様を考える事が出来ました事、罪の心を救って下さること、そして、これを生業として自分が生かされている事に感謝したいと思います。

恥ずかしながら、今まで、店をやってきて、この時期忙しさのあまりに先祖代々の墓に手を合わせたことが有りませんでした。 私の父のお墓も今年新しくなり、手を合わすきっかけが出来ました。 父が、私に余裕の時間をくれたのだと思います。   今年のお盆の出来事でした。